神無月の巫女×姫神の巫女二次創作小説「召しませ、絶愛!」(十五)
黒髪の巫女こと、前世の千歌音はやおら無気味な赤い仮面で顔を覆う。照れ隠しにしては、なんだか場違いなマスクである。というか口を隠してもいないので、衛生対策にもならない。「うっ、うっ、ぐす。私が病篤いからって、こんな仕打ちを…。あなたは明るく元気だから、お日様みたいにあちこち照らしてやりたい放題。私は家に閉じこもって、いつも日陰者なのに…。ああ、ひどい、ごほ、ごほっ、ぐふ」血をどばあと吐いて、シーツを赤い海にしてしまったまま、千歌音なる巫女は倒れ伏した。やっとこさ目の色を変えた生意気姫子が慌てて介抱している。どうでもいいが、なぜ看護するのに脱がす必要があるのか。しかも下から。解かれた帯が腰に絡んだままで、ふたりの肌がひとつになる。小瓶から手のひらに落とした塩水でくまなく清めたあとで、姫子がやさしく、ときには強...神無月の巫女×姫神の巫女二次創作小説「召しませ、絶愛!」(十五)